第4章 Liar
私は蘭さんに言われた言葉を全て話した
ココさんは、アイツは悪趣味だから困ってる姿見て楽しんでただけだろうと言った。
「ま、金を用意したのはマイキーでも率先して買い物行ったのは灰谷達だからな、弟の方は元々アンタのファンだったし」
「え…!?ファンって……」
さらりと、なんでも無いように話すココさんに私は驚いた
続けてココさんは面白そうに話し出した
竜胆さんは私の出演作を全てチェックしている事や高校時代の雑誌グラビアまで保管している事…試写会にも参加して私を見に来ていた事…
-弟が可哀想-って言った言葉の意味にも納得できる…
蘭さんはそんな弟の事情を知っているのにも関わらず私に手を出したのだから相当タチが悪い…
それに平気で嘘を吐く…
気をつけないと…
そう思ってたのに…
暫くして、地下駐車場に到着するとココさんと二人エレベーターを待っていた。
ココさんは派手な容姿に反して真面な人だ、
この組織にはこんな人も居るんだと思うと少しだけ安心できる
「俺は首領の部屋の下の階にいるから、なんかあったら言えよ…それと…ココでいい」
「ありがとう…ココ」
ココさんは口角を上げて舌をベッと出した、私もふっと笑うと到着したエレベーターに乗り込もうとした…時だった
「あっ!?」
「なーに良い感じになってんの?」
急に背後から肩を掴まれて引き寄せられるとヒールが脱げそうになって、ムスクの香りが鼻を掠めた
ああ…嫌な予感がする
ココさんは鋭いその目で私の頭上を睨んだ
「蘭さん…」
振り向かなくてもわかる…
「蘭ちゃんって呼べよー俺の女なんだからさ、特別な?」
私の顔を覗き込む蘭さんは口角は上がっていても目が笑ってない…
肩にかかる骨張った手が私の華奢な手首を掴んで強引に引っ張っていく
引き摺られながら背後を振り向くと、閉まりかけたエレベーターの中でココは呆れた顔をしていた
そんな顔してないで助けてよ…
「ちょっ…蘭さん!…どこ行くんですか!?」
「蘭ちゃんな?同じ事何回も言わせるなよ」
「蘭ちゃんっ…!?」
手首を握ったまま急に立ち止まって振り向いた蘭さんに私は勢い余ってぶつかった
反対の手で顎を掴まれて上を向かされると唇が重なって反射的に目を閉じた
なんで、急に…
全く読めない行動に疑問しかない…