第23章 弟の本心
だからよ、そう、覚悟を決めた目でエースを見るユウは、あの時のユキとそっくりで。
「俺は、ここで死ぬ。それは確定だ。だからお前、絶対にユキを現代に連れて帰れ。寄り道しないで、未来が変わっていないことにあいつが気づいても絶対に過去を変えさせるな。
俺にはあいつのために死ぬしかできない。
けど、あの白ひげの海賊団、2番隊隊長なら、ユキのこと、守ってくれ。
____世界から___時の法から
頼む。・・・ポートガス・D・エース」
「__っ」
エースはその真っ直ぐな視線を、言葉を、受け止めるしかできなかった。
ユキのことを本当に想っているからこそできる行動だ。これから死ぬとわかっていても、それがユキの幸せに繋がることだともわかっているから、だから決めたんだ。男として、惚れた女のために死ぬことを。だから今ここで、ユキに起きている異変をエースに告げたのだ。
そんな想いを、エースはやりきれない気持ちで、しかし真剣に受け止めた。
「・・・・わかった。ユキは、必ず俺が守る。男と男の、約束だ。」