第3章 消えた女
「・・・・じゃあ、誰にも見られずに俺の部屋まできて、数分で誰にも見つからずにこの船から脱出した?そんなこと、ありえると思うか?」
「いや、ありえねぇだろうよぃ。この船には何人も覇気使いが乗ってる。その誰も妙な気を感じなかったし、だいたい、ここは船上で、外は海だぃ。どうやってそんなことができる?」
「・・・だよなぁ。ここ、海の上だもんなぁ」
「だいたい、お前ぇ寝てたんだろぃ?完璧夢じゃねぇのかよぃ」
うーーん、と悩むエースの目の前にガチャ、と新たな皿を追加された。
「そーでもないぜ、マルコ」
「サッチ」
「どーゆーことだぃ」
「実はな、俺のとこにも来たんだよ、その女」
「「「はあ!?」」」
いきなりの爆弾発言に、周りにいた者は皆反応した。
「おっまえ!聞いた時知らねぇって言ってたじゃねぇか!!」
食ってかかるエースに、どうどう、と両手を出すサッチは苦笑いしながら答える。
「そん時は本当に知らなかったんだ」
「その時は?」
「ああ・・・・エースお前、1番最初に俺に聞いてきたよな?その女のこと」
「あ、ああ。確か1番近くにいたのがお前だったからな」
「エースからその話を聞かされてた俺は、誰か密航でもしてんのかと思って、一応食料庫に向かったんだ。・・・そしたら、エースの言う『目の青い女』が食料庫にいたんだよ」
「なんだって!?!?!?」
そう聞くや否や、すぐに食料庫へ向かおうとするエースを、もういねぇよ!!!と止めながら続けるサッチ。