第15章 お尋ね者
それを両手で握りしめ、未だ喚く天竜人に向ける女は、躊躇なくそれを放った。
パンッと弾が天竜人の顔を掠る。
「っおばえ!本気でわちきを殺す気かえ!?!?!?おばえら、早くわちきを助けろ!わちきは、世界で1番偉い一族なんだぇぇっ!!!」
パンッパンッと照準の合わないまま打つその女の手に、エースは自身の手を被せた。
「・・・・手ェ貸そう。どこを狙う?」
「心臓。彼らと同じ苦しみを味わって欲しかったけど・・・もう、あいつの声は、聞きたくない」
「おーけー。弾を撃つ時は、しっかりと相手を狙え。手元は固定。そのまま・・・・撃て」
耳元でそう囁くと、その女はゆっくりと引き金を引いた。