第15章 お尋ね者
もちろんだ!そう言うエースは、その場にいる奴ら全てを、縛りつけた。抵抗する者は殴り飛ばす。最後に大きな木に天竜人を縛り付け終えたエースは、後ろで見ている女を振り返った。
「・・・いいんだな?お前はこれから、人殺しの業を背負うことになるぞ」
「そんな業、弟を見殺しにされて見て見ぬふりをするより、軽い」
決意をした瞳が、轟々と燃え上がっているのに気づいたエースは、自身の炎を人差し指に灯す。それを落ちていた木の枝につけ、女に手渡す。
「・・・・俺がやろうか?」
なかなか受け取らない女に、躊躇したのか、と考えそう言う。
「いいえ。もう、私には、あいつへの復讐心しか残っていない」
「・・・」
じゃあ、その復讐を終えたら、お前はどうするんだ、なんてことは聞けなかった。エースの手からその木の枝を受け取る女は、それを躊躇なく天竜人へ投げつけた。
「っ!?やめろ!!!おばえたち、世界貴族に喧嘩を売る気かえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「っ先に喧嘩を売ってきたのは、あなたたち世界貴族でしょう?!」
「きざま、覚えていろよ!!必ず、おばえらに制裁の手を下してやる!!!あんな下市民なぞ、切り捨てていれば、おばえはわちしが一生可愛がってやったんだえ!!あんな汚い男を大事に思うおばえの気がしれんえ、あんな汚い街を焼かれて怒るおばえは、ばかだえ!!!おばえは、わちきが気に入った女だえ、おばえは一生、わ”ち”き”の”も”の”だえ”ぇぇぇ!!!!」
「・・・鉄砲を、頂戴」
「____ほらよ」
差し出されたその手に、足元にある拳銃を置く。