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Time to Time ーAS・Lー

第15章 お尋ね者



「なんだえあの男!!死んでなかったのかえ!!」

「ムスラルド侯!!あいつ、白ひげ海賊団2番隊隊長、『火拳のエース』です!!!」

帽子をとったことにより、その顔を確認できたのか、1人の役人がそう叫ぶ。
すると、2人、と言うよりも女を取り囲んでいた役人たちは、一気に何歩か後ずさる。

「白ひげぇ!?なんでそんなやつがここにいるんだえ!!!早く海軍大将を呼ぶえ!」

その言葉を聞いたエースは、トンッとその場から甲板へ一瞬で浮上した。

「こんな孤島に海軍大将なんて、連れてくんじゃねぇっ」

火拳!っとその燃え上がる拳を甲板向けて放った。


ドゴオオオオオオ!!!!


一発で大きな戦艦が吹き飛ぶ。

「おばえら、わちしを助けるえ!!!まず第一にわちしだえ!!!」

燃え上がる炎と、割れる戦艦に囲まれ、オロオロとする天竜人。
粉々になった船のあちこちで溺れそうになる役人たちの中から、電電虫も持つ1人を見つけ、それを炎の弾で撃ち落とす。その際にキラリと光った何かを見つけたエースは、それを掴む。

そしてエースは、天竜人の首根っこを掴み、砂浜へと投げつける。

「グェっ・・・きざま!何をしているのかわかってるのかえ!!!わちしは、天竜人だえ!!こんなことをして、おばえも、白ひげとやらも、そこの女も、弟も!!!どうなるかわかっているのかえ!!!」

そんな言葉を聞きながら、ヨッとエースも沈みゆく戦艦のかけらから砂浜へと飛び移る。

「やめてください!!!!お願いですから、謝って」

弟、という言葉に反応したのだろう、エースを止めようと女が立ちはだかる。が、それを無視し、通り過ぎるエースは投げ飛ばした天竜人の前まで歩く。

周りにいる役人たちも、女も、エースが何をするかがわかり、まさか、と顔を青くする。

ザッザッと腰を抜かしている天竜人の前で止まるエースは、そいつの前であるものをその掌から垂らした。殴られると思った天竜人は目を瞑ったが、来ない衝撃に目を開く。

「・・・っそれは!」

「・・・知ってるみてぇだな。おい女!お前、これが何か、わかるか?」

やばい、と明らかな動揺がその顔に走ったのを、エースは見逃さなかった。返せっとそれを奪い返そうとする天竜人をひらりとかわし、手に持つそれを女に手渡す。


「・・・・これ、は・・・お、弟の、ペンダント、です」


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