第15章 お尋ね者
「・・・ここで、一生逃げないと誓えば、弟は、開放してくれますか」
そう呟く目の前の女から、生気は感じられない。
「ん?何か言ったかえ?フェッフェッフェッフェッ!わちしのものをわちしがどうしようと、おばえたち下市民は何もできないえ!!!」
その言葉に、下唇を噛み締める女をみて、等々エースはブチ切れた。
「・・・・気に入らねぇ」
ザッと立ち上がるエースを見て、皆死んだと思い込んでいたため驚きの声を上げる。そんなエースを見て、女は首を振る。今から何をしようとしているのかわかったのだろう。
「っ!だめ、手を出せば、あなたにもあなたの仲間にも・・・!!」
そう言い己を止めようとする女に、エースは服を着せてやる。そして、自分の頭の上にあるオレンジ色のテンガロンハットを、バフッと深く女へ被せる。
「お前は、人のことばっか気にしやがる。『ユウ』は、そんな姉貴を救いたかったんじゃねぇのか?」
その言葉に、女はグッとさらに帽子を深く被り、嗚咽を漏らした。