第15章 お尋ね者
「あの子がいないのなら、もうあなたに仕える筋合いはない!!!」
言い切る女に、迷いはなかった。それに対し、天竜人は怒り狂うかと思ったが、予想に反して、笑った。
そう、この状況で、ここまで探しにきた女から、もう戻らないと宣言され、笑ったのだ。
その笑い声が不気味に思え、寒気を感じた女は、両腕を抱きながら疑心に溢れた目を向ける。
すると、上から何かが降ってきた。ボスッと砂浜に落ちたそれは、小さな貝殻に見えた。
「聞いてみるえ」
「・・・・」
その小さな貝殻に見覚えのあるエースは、すぐにそれがダイヤルであることがわかった。空島にある、音や衝撃波を貯めるものだ。
女は不思議そうにカチッと貝殻の先を押した。
『____て__れ__やめろ!!!俺はどうなってもいい!!!
姉には、手を出さないでくれ!!!!!!!!!』