第10章 海に呑まれる
「___!!____ろ!!」
「____やく!!」
「___だーーーー!!!!!」
バタバタとした喧騒にまだ覚めきらない頭を無理やりに起こす。
窓を見ると先ほどまで白み始めたばかりであった空が、すでにどっぷりと暮れている。
いったいなんの騒ぎだ?と朦朧とする意識の中エースは、身じろぎした際に膝下に落ちていった毛布に視線を向ける。
・・・・俺、毛布なんかかけたか?それに・・・なんで床で寝てんだっけ
ゆらゆらとした意識の下、毛布からベットへと視線を移すと、そこにはなにもない。
そこまで見て、エースはようやくハッと思い出す。
「っ!?あいつ、どこ行った!?」
寝ちまってた、しかももうこんな夜更け!
相変わらず外はなんか騒がしいし、『ユウ』と名乗ったあの女もいない。一気に目が覚めたエースは、まずベットの上に手のひらをあてがった。
・・・・まだ、あったけえ
先ほどまではここにいた。だったら!
そう思いすぐにエースは行動に移した。自室の扉を開け、まずは甲板へ走る。
途中何人ものクルーたちとすれ違い、どこいくんだ、そっちには行くな、と止められるが、構わず甲板へでた。
するとそこでエースを襲ったのは・・・