第49章 雨音とともに
「・・・・・・お前、こんな雨の中そんな格好してたら、風邪引くぞ」
「大丈夫よ・・・・・それに、なんだか無性に雨にあたりたくなっちゃったの」
「・・・・フウン」
「・・・・・エースこそ、雨は苦手なんでしょう?中に入ってなよ」
「あー・・・うん、あんま好きじゃねぇんだけど・・・」
歯切れ悪くそう言ったエースは、上からちか、と何かが光るのが見え、ジッと視線を映す。そこで見えた光景に眉を寄せるエースは、ふと考える。
「・・・・・ユキが好きなら、見てたい」
ん、と傘をユキに押し付けるエースは、甲板を強く蹴った。いきなり目の前から跳躍したエースを見たユキは、一体何事かとエースの行った先を見上げた。