第48章 弟への指針
「ユキ、お前な、船のルールは守れよぃ。仲間殺しは大罪だ」
「・・・・スミマセン」
「エース。お前もちゃんと言い聞かせとけよい。」
「あーうん。悪かったよ」
「っエースは別に」
「お前につかせてんだ、慣れるまではお前の責任もこいつが背負う。それもルールだよい。分かったらあんな真似してやるな」
「・・・・」
「うん、お前怒ると怖ェから。あんまうちのクルー怖がらせてやるな、な?」
エースは隣で下を俯くユキの頭を撫でてやる。すると困ったように視線をエースに送るユキ。
「力じゃ敵わないし・・・どうしょうって思ったら手に包丁あって」
「・・・・・うん。マルコ、どうしよう」
この子とんでもないこと言ってる、とその視線を今度はマルコに送るエース。
「・・・・そういう時は耳栓でもしてろい。聞かなきゃいんだよい」
「なるほど、さらっと流すのか、それが大人ってもんだ、ユキ」
「・・・難しい・・!」
妙に納得したような2人に、一度ため息を吐いたマルコは自室の机にしまっておいたあるものをユキに投げつける。