第47章 怒気
「・・・なんだったんだ、今のは」
「・・・・・母ちゃんより怖え女だったんだな・・・」
「・・・いや鬼のような」
「ちげえよ、普段可愛らしいから忘れてたけど、あの子も海賊なんだよ今となっちゃ・・・」
「普段温厚なやつほどキレると手が付けられないってことだろ・・・ドリー!!!」
「お前、反省しろよ!?ユキちゃんの嫌がることばっかやりやがって!」
「そうだそうだ!そのうち殺されるぞマジで」
「いやあんたらも応援してたじゃん!!」
「そりゃお前、ユキちゃんが素直になれてんのかと勘違いしてただけであって」
「ああそうだ、もう目も当てられねぇくらいに嫌われちまったじゃねぇか!」
どっと笑いの沸く食堂に、サッチはひとりため息を吐いた。
「全く、やっぱお前らの班は解散だ!」
「そんな!隊長だって俺に期待してくれてたんでしょうー!?俺がユキの心の壁壊せるかもって!」
「全くの逆効果すぎて俺も反省中だ・・・今はエースがいるから大丈夫だし、ゆっくり慣れさせよう」
ハァ、とため息を吐きながらその額に手を当てるサッチに、ちぇーっと舌打ちをするドリー。
「違う意味では心開いてたんだけどなぁ」
「どこがだよ!むしろガッチリ閉めらてただろ!」
「いやいや、サッチ隊長、ユキのあの頑なな心の壁、後少しで崩れるはずだったんですよ!」
「・・・お前に少しでも期待した俺が馬鹿だった・・・とりあえず、しばらくユキちゃんには近づくなよ?今度は止めねぇぞ」
「あーい」