第46章 長男達の心配
!・・・・ふーん、やっぱエースにゃ、懐いてんだな」
「そりゃ、こいつの飼い主だぞ?」
「ククッ・・・ほんと、猫みたいなんだから。エースも大変だなぁ」
信頼しきったような顔で気持ち良さそうにするユキが、エースに寄り添うように眠っている。エースも、寄せられた頭に自身の腕を敷き、気持ち良さげに深く眠りに入っていた。
そんな微笑ましい2人を見ていたら、ふとマルコが気づく。
「・・・・・?こんなの、つけてたかよぃ」
そう言って指差すその場所には、先日島でエースにつけてもらった真っ赤なピアス。ユキにしちゃあ派手な色だなと思ったマルコが不思議そうな顔をするのを、サッチはニヤニヤとした笑みを浮かべた。
「それ、前の島でエースにもらったんだとよ」
「!・・・へぇ・・・自分の色つけさすとはまた・・・」
独占欲の塊みたいなやつだな、とエースを呆れた顔で見るマルコに、サッチは顔の前でその手を振った。
「いやいや、聞けば、エースが選んだんじゃねぇんだと」
「ユキが?」
「『気に入ったみてぇだからやった』っつってたよ、洒落たことすんねぇ。ピアスの穴も空いてなかったから開けたっつって。お前はユキちゃんのなんなんだ!って言いたかったけどよ・・・」
「ユキがいたから言えなかったと・・・」
「そうなんだよ!この子、いまいち色恋に対して分かってるんだか分かってないんだか微妙な反応するのよ・・・!・・・けど、自分からこーいうの選んじゃう時点でもう、ほんとは気づいてんのかもね」
「・・・・ユキは、なんて?」
「『ピアスって、自分からは見えないのは残念だけど、相手からは見えるから丁度いいですね』だと」
「・・・・・・・・へぇ」
マルコの意味ありげな視線に、サッチはやれやれとその腕を上げた。
「だろ?そうなるよな?」
「まぁ、人の色恋に口出しする気はねぇけどよぃ」
面倒なことになりそうだ、とその頭を抱えるマルコに、サッチは苦笑する。