第7章 火傷
火傷、してるだろぃ
そう言ったマルコにその少年がぎくりと固まるのが、エースからでもわかった。なんだ?と不思議に思い首を傾げるエースに、先程の拒否の理由をナースが耳打ちしてくる。
「あの子、最初脱がされそうになってあんなに抵抗してたのよ」
「はぁ?」
別に全裸になれと言われてる訳でもあるまいし、何を拒否する理由がある。さらにエースは頭を傾げた。
「・・・・はぁ。さっきも言ったが、俺は医者だぃ。お前がなんのためにそんな格好してるか知らねぇが、さすがにわかる。」
「ッ!・・・・」
マルコがため息をつきながら言うと、少年がチラリとこちら、と言うよりはエースを見た。が、すぐにその視線は逸らされる。
その視線の意味がわかったマルコは、スクっと立ち上がり、シャーーッとベットの周りのカーテンを閉め、完全に視覚を遮った。
「・・・・?なんで閉めんだ?マルコ」
ますます意味がわからない、と言う風に素直な質問をぶつけた。
「いいから、開けんなよぃ。治療の邪魔だぃ」
ぶっきらぼうにそう言うマルコに、なんなんだとは思うが特に気を悪くする様子もなく、エースはその辺りのベットに腰掛け大人しく治療を待つことにした。