第45章 変化
「あぁ・・・ま、まだ俺もここに入る前だったし。けどよ、初対面なのにズケズケ聞いてきやがんの、ウゼェったらありゃしなかったよ」
「・・・あー」
「けど、自分の知りてぇ欲求っての?そーいうののためだけに動いてるんだなって分かったからよ、弟も同じよーなもんだったし、慣れだな。そーいう奴らってのは、言っても聞きゃしねぇんだ、だからよ、無理して付き合うこたぁねェ。面倒だったらウゼェって言ってやれよ」
「・・・・言っても多分効果ない気がする」
諦めたような声を出すユキのその顔は、げんなりとしている。
「ハハッ、分かってんじゃねぇか!ま、よーするに、そーいう奴との付き合い方もこれから知ってけよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・善処する」
長い沈黙の果てに返ってきた返事は、嫌だと言っているようにしか聞こえず、エースは笑いを咬み殺した。
「疲れたら俺のとこ来いよ、日向ぼっこなら付き合うぜ?」
「ほんと!?」
「お、おう?」
予想以上の食いつきに驚き、少し身を引くエースに、ユキはその手を掴んだ。
「じゃあ今!」
「え」
「私今日の仕事、終わったの!」
目を丸くするエースの手を引きながら、ユキは常々ここで昼寝ができたら気持ちいいだろうなぁと思っていた場所に連れていく。