第45章 変化
「・・・・エース」
「ん」
「やっぱり、エースといる時間は、落ち着く」
「・・・」
「エースが・・お日様みたいだからかな」
にっこりとこちらを見上げた顔は、先ほどまでの複雑そうな色はもうなく、いつもエースに向ける花のような笑顔で。エースはグッとその頭に置いた手を握りしめ、頭から放す。
「・・・・俺、火だしな」
「!・・アハハッ・・そうだね、太陽みたい!」
ようやく声を出して笑ったユキに、エースはほっと息を吐いた。この船に乗ってから、ここまで暗い雰囲気を出し、エースに泣き言を漏らしたのは初めてだった。それくらい、ドリーの存在がユキにとって大きなものになっていることに気づき、エースは胸に刺さる何かに気付かぬふりをしながら海へ視線を送る。
「・・・無理して仲良くしなくていいんだぞ?」
「だってサッチさんが同じ班にするからぁ」
「・・・・そりゃお前、あいつはお前らが仲良いと思ってるからだろ」
「・・・恨むわ、サッチさん」
「そう言ってやるなって・・・あいつも、ユキのこと心配してんだぞ?いっつも笑ってなんでもしてくれるけど、何が嫌なことなのかとか分かんないから困ってるんだよねっつって」
「え?!・・・・それは、今その困り中なんだけどな・・・・」
「サッチに相談してみろよ」
「うーん、そうなんだけど、そう考えたら・・・私の問題なのかもなぁって思って・・・・・・けど、詮索されたくないことなんて、いっぱいあるよねぇ?」
「あいつは・・・まぁ俺でもカチンとくることはあった、つか殴ったし」
「え?そうなの?」