第45章 変化
それがいけなかったのか、あれから毎日のようにこうして顔を見合わせるたびにため息をつかれる。もったいない、と言われ続け、そのしつこさにいい加減鬱陶しいと感じ始めたユキは、最近ではもう笑顔を作るのも面倒になってきている。
そんな最年少組に、4番隊のコック達は面白そうに眺める。普段、誰にでも愛想良く楽しそうに振る舞うユキが、こうまで嫌悪感を顕にするのが珍しいのだ。それを仲が良いと思われているのか。
「いいぞいいぞドリー!」
「ユキちゃんの綺麗な瞳を取り戻せー!」
などとドリーを応援する声まで上がってき、ユキの中でドリーという人物の株はどんどん下がっている。年が同じなのだからもう少し仲良くしようと言い張るドリーに、ため息を吐きながら言い投げる。
「同い年とは思えないほど子供(ガキ)で・・・」
「いやいや、ユキもガキっぽいって結構」
「・・・どこが」
「そーやってムキになってるとこがだよ」
ニヤニヤと笑うその顔がまた好青年で様になっているのが、非常に腹立たしいユキ。