第45章 変化
「っ俺、お前のあの色好きで、あんな綺麗なものがこの世に存在するのかって感動したのに・・・なんで隠すんだよ、もったいねぇ!!」
「・・?・・・あの・・・・あまり話したこともない人に自分のことで泣かれるのって・・・混乱しかしませんから。気持ち悪いです」
ポロリとつい本音を漏らしてしまい、ハッとユキは口を手で塞ぐ。そんなユキに、ピタリと涙を止めたドリーは恨めしい視線を送る。
「気持ちわりぃって、酷ェなお前!」
「・・・・すみません」
「ったく・・・じゃあなんで海の色じゃ嫌なんだ?なんで嫌いなんだ?ずっと黒のコンタクトつけてたって、なんでだ?」
じっと見られ、ユキはそのなんでなんで攻撃に、心の底からため息を吐きたいのを我慢する。
正直、こういった無神経なタイプが1番苦手、いや、嫌いなユキは、それでもここは白ひげ海賊団の船、自分ももう白ひげ海賊団のクルーとなった。ここにユキを連れてきたエースの顔に泥を塗るような真似はしたくはない
。そのために、今まで愛想良くニコニコと振る舞ってきたのだ。ここでこんなよく分からない小僧に邪魔されたくない、そう思いにっこりと無理やりその顔に笑みを作った。
「詮索好きな男性は、嫌われますよ?」
その言葉に、グッと言い淀んだドリーの横を通り抜け、ユキは仕事に戻った。