第43章 一目惚れ
買い物も終わり、あの店を出てエースが次に目指したのは、この島1番の自慢とされている、その『灯月橋』。
「・・・うっわぁ」
目の前いっぱいに広がるそのライトに、ユキは目を見開いた。
そこには、広い河川にかかる大きな橋があり、どういう原理なのか、下からどんどんランタンが上へ上へと登っていく。
「こいよ、ユキ」
グイッと手を引かれ、もうほとんど誰もいないその橋の真ん中に立たされる。
「・・・!!!」
すごい、と声にならない感嘆を吐くユキに、すげぇだろ?とそのにを得意げな笑みを浮かべるエース。
そこには、先ほど外から見た光景とはまた異なり、橋の上で、川から湧き上がるそのランタンの小さな灯りに包まれ、夢かと思うほど、幻想的な景色が広がった。
「こんなに綺麗な景色・・・見たことない・・・」
その小さな灯りが、生き物のように動く様をみて、ユキは感慨に打たれたように息をホゥとつく。
そんなユキを見て、エースはひとり、綺麗だな、とつぶやいた。
それにうん、と律儀に返すユキに、少し苦笑する。エースはユキの瞳にキラキラと映る、その情景が綺麗だなと思ったのだが、同じ意味のようなものだ。そう思い、エースは感動するユキの腰に両手をかけ、そのままユキを橋の手すりに座らせる。