第42章 招き猫とハリネズミ
「え・・・それ、ハリネズミ?」
突然目の前に出してきた、何本もの鋭い針を持つ動物に喩えられ、その表情をしかめた。
「なんでハリネズミ?」
「・・・だってよ、お前、出会った頃はこんなんだったぞ、まじで。どこ触ってもトゲだらけで」
「う”・・・」
「でもよ、知ってるか?こいつらは、慣れた人間は絶対ささねぇんだ!懐くとそいつのために次は針を出すんだってよ・・・お前にピッタリだろ?」
ニット笑いそれを差し出してくるエースの喩えに、間違ってはいない、もしろあってることに少し頬を染めるユキ。
そんなユキに、2人で選んだその2つを手に取りレジへ行こうとするエース。
「え?2つ買うの?」
「おう、俺も貯めれるだろ?部屋に2つ飾りてぇんだ」
眩しい笑顔を向けられ、ユキはまぁエースのものだしね、とレジへ行く。
お会計をしているエースの隣で、きらりと光るそれを見つけ、ユキは自然と目を奪われる。