第40章 華麗な蹴り
うん、4にしよう
そう決めたユキは自分に襲いかかってくる男を避けようともせず立ち尽くす。目の前の男が下卑た笑みを浮かべるのを見た瞬間、その男が横から出てきた足に吹っ飛ばされる。
「!」
うそ、とユキは目の前の光景に唖然とする。
そこには、たった今俊敏な蹴りをしたその綺麗な長い足を下ろす、ナースの姿。
「全く、私たちの可愛い妹に手を出さないでくださる?」
指を顎にかけて妖艶な笑みを浮かべるナースに、思わずユキは拍手を送った。見ると、他のナースたちも見事、その綺麗な体術で男たちを薙ぎ払っている。一体誰がこんなに綺麗なナースたちがここまで強いと予想できるのか、さすがとしか言えない光景にパチパチと目を瞬いているユキに、後ろから不審な影が襲いかかった。
「っユキ!」
目の前で焦ったように名を呼ばれ、ユキは真後ろでナイフを振り上げる男をゆっくり振り返った。
「・・・・メグメグ」
直前まで迫るその刃に、ユキは思わず呟いた。