第40章 華麗な蹴り
「よぅよぅ、えらく別嬪さんが集まってんじゃねぇの」
そろそろ帰ろうか、と日の暮れる前には船にユキを戻す約束をしていたナースたちは街を歩き出した。そこに、昼間はいなかったチンピラが声をかけてくる。
そんな下世話な声に、ナースは見向きもせず歩き出す。
そこにぞろぞろとナイフやら鉄砲を持つ、物騒な男たちが行く手を阻む。
「・・・・なんの用かしら。ここが白ひげのオヤジさんの縄張りだと、知ってのことかしら?」
「白ひげ〜?そんなやつ、今どこにいんだよ?見えねぇなぁ」
ニヤニヤとナースたちを下品な目で見てくる男たちに、ナースはため息を吐く。
「全く、オヤジさんの船が見えてないのか知らないけど、私たちに手を出すと・・・・・その首、なくなっちゃうわよ?」
呆れたようにそう言うナースに、あいつらがこねぇうちに攫っちまえば、何にも問題ねぇだろう?と一斉に男どもが動き出した。
ナイフを持つ男が襲いかかってくるのを、ユキはぼんやりと眺める。さて、どうすべきか。
1、逃げる・・・ナースたちも逃げるとなると危険
2、戦う・・・・ユキにそんな力はない
3、誰か呼ぶ・・・・呼んでいる間に捕まる
4、とりあえず傍観