第39章 着せ替え人形
あれから何軒も周り、ようやく満足したのか、ナースたちは1つのカフェに入っていった。
ユキはナースの絶賛した一枚のワンピースをそのまま着せられ、サンダルも合わせコーディネートされた状態のままでいることに羞恥を隠しながらもついていく。今ユキの着ている服は、この島が夏島とあって白くふわりとしたシフォンの生地の上から、シースルーを被せ少し足元が透けて見えるワンピースに、花柄が散らばるヒールのサンダル。ユキの青い瞳と短いながらも美しいその青い髪色に良く映えている。
「あの・・・今日はありがとうございました!おかげで必要なものは全部買えました」
テーブルを囲んだところで。ユキが感謝の言葉を述べる。
「いいのよ、私たちも、ユキと話してみたかったしね」
「え」
「だって、ずっと食堂にいるんだもの、それ以外はエース隊長がべったり。だからなかなか話す機会がなかったから、今回は嬉しかったわ」
にっこりと笑みを浮かべるナースに、少し頬を火照らせるユキ。
「・・・なんか、今までお姉ちゃんとして生きてきたから、こうやって年上の女性と話すと、照れます」
ズキュンっとその恥じらう姿に胸打たれるナース。そんな中、ひとりのナースがずずいっとユキに顔を近づける。
「・・・ねぇユキ、あの1週間のこと聞いてもいい?」