第36章 笑顔
そろそろ腹が減ってきたなと食堂に入るエースを、この広く昼の時間帯で混む食堂の中、すぐにエース!と見つけ駆け寄ってくるユキに、なんだ?と首を傾げるエース。
その手を引くユキに大人しく着いていくと、何か被せられた皿のある席につかされる。
「さ、どうぞ!」
そう言って被せたものを取るユキは、食べて、とそれを前に出してきた。
エースは皿いっぱいに盛られたペペロンチーノを見て目を見開いた。
「・・・約束したじゃない?」
驚くエースに向けて少しはにかむように笑うユキに、ギュッと心臓が締め付けられた。確かにここ数日、ユキと過ごせる時間が全くなく、面白くない、と感じていたエース。
『エースは何が好き?』
『んーー辛ェやつかな。ペペロンチーノとか!』
「うーーん、ここじゃ作れないなぁ。・・・また今度、作るよ」