第35章 約束
「ま、ユキちゃんは気にすることねぇよ。それより、あいつの好みにするならもう少し辛い方がいいぞ」
「え”・・・これでも結構な辛さかと思ったんですけど」
「・・・・・ユキちゃんてさ、味音痴だよね」
そんな馬鹿な、と眉に皺を寄せるユキちゃんに、そう言えば甘い味付けのものしか食べている姿を見たことがないなと思うサッチ。昨日も鍋いっぱいに砂糖をバサバサと入れていた風景を思い浮かべ、料理人としての欠点にもなるその『甘党』に苦笑するサッチ。
「・・辛いものはあまり食べないってだけですってば!」
「あーうん、わかったから、とりあえずペペロンチーノに砂糖は入れないでやって、まじで・・・・その量はエース死んじゃうから」