第31章 宴の後の静かな覚悟
ジュゥ!!!!!と静かな部屋に響くその音は、痛々しく、人間の焼ける嫌な匂いが充満する。
それでも叫び声ひとつあげないユキに、がんばれ、もうすぐだ、そう囁きつづける。
エース!
マルコの合図に、すぐに火を消すと、今度は青い炎がすぐさま焼けた肌を覆った。
「ハァ、、ハァ、、ハァ・・・ッ」
「がんばったな、もう終わったぞ」
胸元で荒々しく呼吸するユキは、目にたくさんの涙を貯めながらも、それを流すことはなかった。
「・・・あり、がとう、ありがとう、エース、マルコさん」
絞り出すような声を出すユキを、エースはギュッと抱きしめ、頭を撫でてやる。
先ほどの痛みでは流さなかった涙を、エースに撫でられることでようやく流し始めたユキに、やっと開放してやれたとエースは心から安堵した。もう、あんな思いは2度と、させたくない。絶対にさせない、そう硬く心に誓うエース。
それを見るマルコは、ユキの焼けた肌を見て、あの落胤がしっかりと焼けたのを確認してから包帯を巻いていった。