第30章 歓迎会
「___ぃ__お___ユキ。起きろ」
ゆるゆると揺さぶられる感覚に、ユキはふと目を覚ました。
「・・・・?」
「よく眠れたか?」
揺さぶった本人の顔がドアップに見え、優しく微笑むそれがエースだと分かるとユキは寝ぼけたまま腕を伸ばした。
不思議そうな顔でユキの顔と差し出された手を見るエースは、ゆっくりとその手を握ってやった。
「・・・ふふ・・・あったかい」
気持ち良さげに握った手を頬に持っていき、スリ、と猫のような仕草をするユキに、エースはまたか・・・と頭を抱えた。が、それも一瞬で頬に添えられた己の手で柔らかな頬を横に引っ張る。
「・・・ん、い、いた、い、痛い痛い痛い」
エース、とようやく起きた目をうるうるとさせながら見てくるユキに、早く起きろとその頬を放す。
「エース?どこ行くの?」
ツカツカと自分の前を歩くエースに、ユキは困惑しながらも着いていく。
「ほら、ユキ。出てみろ」
甲板へたどり着くその目の前でエースはユキを振り返り、先を促した。
妙な感覚にユキは訝しげな表情で、もう暗い甲板へと出た。途端。