第2章 居場所=三ツ谷隆
「あの…私、隆くんに迷惑かけたくなくて」
「うん」
「こんな家の事話して嫌われたくなくて」
「うん」
「あの暖かい場所を私のせいで壊したくなくて」
「うん」
ポツリポツリと話すの言葉に優しく頷いてくれる三ツ谷を見ていると段々と視界が霞む
「俺はさ、の事を嫌いになるなんてまずねーし、俺だっての事を守りたいって思う」
ゆっくりと部屋へと足を踏み入れた三ツ谷はの前で膝をつくと そっと彼女の両手を取った
「泣いたっていい、思い切り怒ったっていい 俺も一緒にその感情を共有したい の側にずっといる」
そう言いながらはにかむ三ツ谷には思わず抱き着いた
「おわっ!!」
慌ててを抱きとめて片手で自分を支えて後ろに倒れることを回避した三ツ谷は嬉しそうに抱きとめた腕に力を込めた
その様子を見ていたエマとマイキーはそっと足音を立てずに部屋を出た
「ねぇ、エマ 腹減った」
「じゃあマイキーに手伝って貰ってお鍋の用意してようか」
「じゃあケンチン呼ぼうケンチン!」
と2人並んで廊下を歩いてった
※ ※ ※
「ーじゃあやっぱりあのカップケーキ が作ったヤツだったんだ」
「う…うん、香織姉さんが持って行っちゃったから…」
2人並んで座りながら三ツ谷は再度から話を聞いていた
それにしても聞けば聞くほど胸くそ悪くなってくる
水面下でそんな酷い仕打ちを受けていたのかと思うと胸が痛くなる
「『有効活用してあげる』なんて言うから何に使うのかと思ってたけど まさか隆くんに渡ってたなんて…」
乾いた笑いを溢すに三ツ谷は「気付いたのはルナマナだけどな」と返した
「でも、隆くんも気が付いてくれたんでしょ?」
「勿論気が付いたよ でも今度は直接から貰って食いたいな」
「ふふっ、じゃあ今度はルナマナちゃんにも沢山作らなきゃ」
そう言って笑うの様子に三ツ谷は目を細めた