第2章 居場所=三ツ谷隆
「…ーはい、終ったぞ」
カチッとドライヤーのスイッチを切ってちゃんと乾ききったの髪を一房取ると満足そうな顔をした
「ありがとう、結局私の話ばかりになっちゃったね」
はドライヤーが終わるまで殆ど一人で話していた
「いや、寧ろ沢山さんの事知れて楽しかったよ」
「じゃあ今度は三ツ谷くんの話を聞かせて?」
くるっとこちらを見ながら期待した眼差しを向けてくるの今まで伏し目がちにしていた時とは比べ物にならないくらいの楽しそうな顔に嬉しさが込み上げてくる
何だか気を許されたような気がして顔が緩む
「そういやぁ、何でいつも伊達メガネしてんだ?ない方が可愛いのに」
「へっ!?あの…それは…」
思わず口に出してしまった三ツ谷の言葉には一瞬、顔を赤くしたがすぐに言いにくそうに口をモゴモゴさせだした
「あっ!ごめん!何か理由があるんだもんな!無理に聞き出すような事はしねーから!」
慌てて三ツ谷は立ち上がるとドライヤーを直しに部屋を移動した
「もう遅いし、寝るか」
※ ※ ※
「ホントにここでいいのか?」
「うん、人の寝息が聞こえてると安心するから」
そう言ってはポンポンとルナとマナの部屋の空いてるスペースに枕と布団を置いて満足そうに笑った
「俺が居間で寝るからさんは俺の部屋で寝てもいいんだそ」
「それこそ遠慮します!ちゃんと自分の部屋で寝ないと疲れなんて取れないよ」
そう言いながらグイグイと三ツ谷の背中を押しながら自分の部屋に行くように促した
「じゃあ明日の朝ご飯何が食べたい?」
背中を押されて出ていこうとする三ツ谷は顔をの方へ向けてそう問いた
「三ツ谷くんが作るものなら何でも食べたい」
いつも朝はあの2人に作る側だったから誰かの作ってくれた朝ご飯を食べられるのはにとっては嬉しい問いかけだったから単純に三ツ谷の作るものならどんな物でも嬉しいと思った
「ん、わかった そう言ってもらえたら作り甲斐があるな」
「ふふっ、楽しみにしてるね」
「お休み さん」
「お休みなさい」
そう言ってはゆっくりと扉を閉めて眠りについた