第2章 居場所=三ツ谷隆
「ん?どういう事?」
突然言われた予想外の言葉に三ツ谷は混乱して聞き返してしまった
「やっ…やっぱりいいです!お邪魔しました!」
の方も少し焦っているのだろう、三ツ谷の向ける言葉が敬語になっていた
勢い良く立ち上がったはカバンを掴み、急いで玄関へと走り出した
「おわっ!ちょ…ちょっと待った!」
思わずの手を勢いで掴んでしまった
「理由…理由聞いてもいいか?」
急なの発言には何か理由があるんじゃないかと思った三ツ谷は掴んだ手を離しながらに聞いた
「あの、その…ただ帰りたくなくて…」
「…!!」
伏し目がちに少し頬を染めながら言うは三ツ谷にとっては凶器だった
が家に帰りたくない理由それは今日、家には修哉しかいないという事
朝、2人にいつもの様に朝ご飯を用意してると香織が修哉に「今日、友達の家に泊まるから帰ってこない」と話していた
そこまでは別に気にしない、が気になったのはその後の修哉の呟きだ
「…へぇ」
たかが呟きなのだがにとっては不穏な へぇにチラリと修哉を見たらバチっと目があってニヤリと笑われた
その笑みがにとっては物凄く身の危険を感じて家には帰りたくないと切に思った
何か帰らなくてもいい手だてはないかと頭を巡らせて辿り着いたのが三ツ谷の家に遊びに行く事だった
自分の安全の為に利用するなんてイケナイ事だと思う
中学に上がりなるべく目立たないように眼鏡をかけて人と関わらないようにしていただから当然夜中に押しかけるくらいに気の許せる友人なんているわけがなかった
「あっ、ごめんなさい、そんな急に言われても困るよね 大丈夫、家に帰るから」
ずっと黙り込む三ツ谷に困っているだろうと思ったは取り敢えず、帰るフリをしてどこかファミレスにでも行こうと考えていた
「何か嘘ついてる?」
三ツ谷のに向けた言葉が静かな部屋に響いた