第2章 居場所=三ツ谷隆
「まさか!そんな事言わないよ!それに私は三ツ谷先輩に誘われて来たのだから」
「…三ツ谷の…?名前何て言うの?」
「篠崎香織です!」
三ツ谷の名前に反応したエマは三ツ谷が誰かを誘うのは珍しいなと改めてマジマジと香織を見るが
何故誘ったのだろうと首を傾げる
正直に言ってこの手のタイプは苦手だと思っていた
まぁ、後で直接本人に聞けば済むことだと納得し香織が必死に話しかけてくるのでエマは適当に相づちをうっていた
集会が終わってゾロゾロと神社の階段を下りてくるマイキー達にエマは駆け寄った
「マイキー!三ツ谷はどこ?!」
「えっ?ケンチンじゃなくて?」
「ドラケンもだけど取り敢えず三ツ谷!」
ガシっとマイキーの服の裾を掴んで凄むエマにマイキーは驚いた顔を向けた
「三ツ谷ならもう帰ったぜ?」
後から声のする方を振り向けばドラケンや場地達が立っていた
「何かアイツ 集会が終わったら猛ダッシュでインパルスに乗って帰っちまったぜ」
その言葉を遠くから聞き耳を立てて聞いていた香織は顔を真っ赤にしてわなわな震えていた
折角私が来たのに挨拶も何もなしで帰られた事に恥ずかしくなった
そのことを悟られないようにくるっと向きを変えるとズンズンと歩いて行った
「え?三ツ谷、自分から誘っておいて一人で帰ったの?」
エマの言葉にマイキーは首を傾げた
「どういう事?」
その言葉にエマは先程の事を説明した
「三ツ谷が女を?ないない!」
全力で否定するドラケンにエマは「じゃあ、さっきの子は何だったんだろう」と先程までいた場所を見つめていると場地はあきれたように言った
「どうせただの追っかけだろう」