第2章 居場所=三ツ谷隆
その頃、神社では集会に参加する為にワラワラと人が集まっていたその中には勿論香織も混じっていて
三ツ谷はまだかなとワクワクした面持ちで待っていた
他にも一目見ようと集まった女の子達の中で私だけが三ツ谷に許可を貰ったという優越感があった
これで三ツ谷が香織に気が付いて手でも振ってくれようなら完璧だ
「よぉーっす三ツ谷」
「おう、あれ、今日はエマちゃんも来てたんだ」
香織は話し声のする方へ視線を向けるとそこには東卍
のメンバーと三ツ谷の姿があった
「何?ドラケンと来たの?」
「ブッブー違いますーケンチンは俺と来たの」
そう言いながらドラケンと呼ばれた男に抱き着く小さい男の子にエマと呼ばれた女の子はグイグイと必死に剥がそうとする
「もうっ!マイキーばっかりズルい!たまにはウチに代わってよ」
「駄目ーっケンチンは俺のなの」
「マイキーはいっつも一緒にいるじゃん!」
「おい、お前らいい加減兄妹喧嘩止めろや、ドラケン困ってんだろ」
そう三ツ谷がドラケンを指すと困った様な顔をするドラケンを2人して頬を膨らませながら離れた
「おら、集会始めっぞ!」
ドラケンはそう叫ぶとゾロゾロと神社の中へと入っていった
残されたエマは大人しく石段の壁に寄りかかって携帯を弄りだした
その様子を遠目で見ていた香織はあの子と仲良くなれば三ツ谷の周りの友達とも知り合いになれてもっと近付けると思った
「あの、隣いい?」
香織はエマに近付くとにっこり笑った
急に話しかけられたエマは怪訝な顔をしながら香織に「ご自由に」と小さく呟いた
隣に陣取った香織はエマに何か触れてほしそうにチラチラとエマを見る
その視線にエマは面倒くさそうに香織を横目で見た
「…何?」
「あのっ、友達になりたいなぁって私達きっと気が合うと思うの」
何を根拠に言ってるのか分からないが香織は自信満々にエマに言う
「何を期待してるのか分かんないけどマイキー紹介してくれと言うなら絶対嫌だから」
エマはいつもの事だというように携帯を弄りながら冷たく言う