第2章 居場所=三ツ谷隆
が朝帰りしてから3日は経った
三ツ谷は携帯を片手に悩みながら部活へと向かっていた
そろそろにメールをしていいものか、それともまだ早いかなどと渋っていると後ろから声をかけられた
「三ツ谷せんぱ〜い」
振り向くと髪の長い化粧バッチリな女生徒が猫なで声で立っていた
「え…あ〜っと…」
誰だっけ?みたいな表情の三ツ谷に女生徒は変わらない猫なで声で笑った
「ヤダ〜忘れたんですか?篠崎香織です」
と自己紹介するが三ツ谷はさっぱり分からない
「あ〜…篠崎さんね…」
「ちゃんと覚えてくださいね 所で今夜、集会を見学しててもいいですか?」
「え?集会を?」
「はい、1度見てみたくって」
うふっと語尾に付きそうな程の猫なで声に三ツ谷は う〜んと唸る
「いいけど…俺はあんまり相手にしてあげられないけどそれでもいいなら」
「勿論!お邪魔はしません!」
「…それなら」
食い付くように言われて少し後退りをする三ツ谷に彼女は嬉しそうに手を振って「じゃあ夜に!」と上機嫌で去って行った
去っていく後ろ姿を見て 構えないと言ったのに何故あんなに上機嫌なのだろうかと頭を捻るがすぐにそんな事は吹っ飛んだ
話の途中でポケットの中でバイブ音がしていたのでメールかなと携帯の画面を見るとの名前が表示されていて慌てて開くと三ツ谷は無意識にニヤけた
側を通りかかった生徒が珍しくニヤけている姿に怪訝な顔をしていたそうな
一方、三ツ谷の元を離れて上機嫌に歩くこの女、の義理の姉であった
本来ならばの家に越してきたのだから学校も変わるハズなのだが「この学校がいい!」と言い張って結局学校は変わることなく過ごしている
何故変わりたくなかったのかと言うと三ツ谷に会えなくなるのを避けたかった ただそれだけの理由
三ツ谷の事は噂で知っていた 暴走族にいるのに手芸部の部長で人当たりがとてもいい 格好いい先輩がいると周りの女子が騒いでいた
自分に自信のある香織はそんな三ツ谷こそ相応しいと顔も見ずに決めつけて一人コッソリ見に行った
家庭科室で作業をする姿はあまりにもキラキラ輝いていて
一目惚れだった