第2章 居場所=三ツ谷隆
折角作ってくれたのだ取り敢えず食べようとは手を合わせて「いただきます」と呟くとまずはココアに口を付けた
口に広がる温かい味にほっとする
その様子を食べながら見ていた三ツ谷はの目の前にある物を置いた
「ほら、蜂蜜掛けても美味いぞ」
そう言って置いたのは黄金色に輝く蜂蜜の瓶だった
「は…蜂蜜!」
思わずガッと瓶を掴んだはスプーンで蜂蜜を掬い、フレンチトーストに掛けていく
蜂蜜を掛けたフレンチトーストをひと口サイズに切って口に入れると至極嬉しそうに顔が綻んだ
「…もしかして蜂蜜好きなのか?」
「だって甘くて美味しいじゃないっ!」
三ツ谷の問いに食いつくようにいうはよっぽど好きなんだなと見て取れた
「あっ、食事中にお行儀悪かったよね」
慌てて口を手で隠すに三ツ谷は「好きな物を好きって言うのは普通だろ?気にすんなよ」と笑って言った
何より喜んだ顔が見れるならいつでも蜂蜜を用意したいくらいだ
「あ〜姉ちゃんが美味しそうだからルナも蜂蜜〜」
「あっ!マナもマナも!」
フォークを持ちながら騒ぎ出すルナマナに三ツ谷は「はいはい」と言いながら蜂蜜を掛けてやった
朝食が終わり食器を三ツ谷と片付けた後、は帰る準備をしていた
「んじゃあ俺はさん送ってくるから」
そうルナマナに言うと三ツ谷はと同じ様に靴を履き出した
「あっ!いいよいいよ、朝ご飯もご馳走になったのに」
「大丈夫、俺が送った方が絶対早いから」
そう言うと先に玄関を出ていってしまった
「え?どういう…」
「姉ちゃん、また遊びに来てね」
「またご本読んでね」
「うん、また来るね」
彼女達に言われると断る事はなどには言えなかった
手を振って三ツ谷家を出ると先に出ていってしまった三ツ谷を探した
するとバイクの音が聞こえてきての目の前で止まった
「さっ、帰ろうか」
「えっ!?三ツ谷くん!?」
バイクに乗って来たのは三ツ谷であった