第9章 私はモブになりたい
「あぁ、ちょっと色々あって最近ルナマナ達が懐いてんだ」
「あ…あのお邪魔してます といいます」
「へぇ、あの2人のお眼鏡にかなったって事か 俺は龍宮寺 堅 ドラケンとでも呼んでくれや 」
スッと屈んで同じ目線を合わせてそう挨拶する姿はさすがと言っていいだろう
「あ…じゃあドラケンくんでいいですか?」
「おぅ、俺もって呼んでもいいか?」
「はい、お好きに呼んで下さい」
「あ~ケンチンばっかズルい!ねぇねぇ!俺の事もマイキーって呼んでいいから名前で呼んでもいい?」
腰を落として話していたドラケンの背中にガバッと抱きつきながら聞いてきたのは総長の佐野 万次郎だ
「へっ!?は…はいっ!」
突然の事では慌てて返事をしてしまった
「こら、マイキー 急にそんな事言われたら困らせるだろーが」
思わず立ち上がったドラケンの首にブラブラとぶら下がりながらもマイキーはにこにこと上機嫌だ
「悪いな、急でビックリしたろ」
「大丈夫ですよ、ちょっと驚いただけで」
「そうか、それなら良かった そうだこれやるよ さっき知り合いから貰ってそのまま突っ込んできたから」
言いながら特攻服のポケットからゴソゴソと取り出したのは一口チョコでの手のひらに数個コロリと転がった
「チョコ、好きか?」
「大好きですっ!ふふっありがとうございます」
は嬉しそうにドラケンに笑うと大事そうに持ってきていたポシェットに入れた
基本的に甘いものは大好きだ 前の生の時も疲れた時には甘いものを食べて疲れを癒していた
特にチョコレートは大好きで常に持ち歩いていた
「良かったな、甘いもの好きだったもんな」
背後にいた三ツ谷がドラケンとのやり取りを見ていてそう声を掛けた
「えっ!?甘いも好きなの?ちょっと待って!」
その光景を見ていたマイキーは何故だかゴソゴソと服の中を探していた
「あった!はい 甘いもの!」
そう言うと封を切ったばかりのどら焼きをの口の中にいきなり突っ込んだ