第9章 私はモブになりたい
一言 されど一言だったのに背筋というか冷や汗が流れた
「あ"?そりゃそう…」
言いながら振り返る隊員の顔が瞬時に青に染まった
「み…三ツ谷隊長…」
「その子と待ち合わせしてたの俺なんだけど へ~俺ってバカだったんだ」
「あの…俺達その…そう!こんなとこにいると危ないって言おうと…」
「それにしては怯えてたみいだけど…」
にこにこと言いながら近付いてくる三ツ谷は笑顔だけど目が笑ってない
「た…隆くんっ!!」
駄目だ!このままだと今日が彼らの命日になってしまいそうだ!
そう思ったは慌てて三ツ谷に駆け寄り服をギュッと握った
「特効服とっても似合うね カッコいい!!」
少しでも気をそらそうと精一杯の褒め言葉を三ツ谷へと向けた
「ん?そうか?それより俺と一緒に来た方が絡まれなかったんじゃないか?」
「大丈夫 それに私と来たら大事なバイクに乗れないでしょう?」
そう、彼の乗っているバイク インパルスの話をする三ツ谷は本当に好きなんだなと思うくらい機嫌良く話すから話を振れば少しは気が逸れるのではないかと期待したのだが…
「じゃあちょっと2度と笑えねぇようにしてくるわ」
ポキポキと指を不穏な音をさせながら三ツ谷は青ざめた隊員の元へと近寄っていく
「ひ…ひぃぃぃ」
「何だ、三ツ谷急に走り出すからどうしたのかと思ったよ」
の背後から聞こえてくる声に三ツ谷の動きがピタっと止まった
は聞こえた声の主へとクルッと顔を向けるとバチっと目が合った
「あれ?この前の子だ」
「何でまたここにいるんだ?」
注目を浴びてしまったは思わず三ツ谷の元へ駆け寄り ささっと身を隠した
「おい、ドラケン そんな顔してきたらがビビるだろう?」
「元々こんな顔だ 」
「ぷぷ ケンチン怖がられてやんの」
「うるせぇマイキー そんで?三ツ谷の知り合い?」
じーっと見つめてくる視線には居心地が悪そうにキョロキョロとする