第9章 私はモブになりたい
消毒液で軽く傷口を綿棒で撫でるとピリッとした痛みでの顔が歪んだ
「ちゃん痛い?」
「マナが手を握っててあげようか?」
などと口々に心配そうな声がした
「大丈夫、ちゃんと傷口を綺麗にしないと悪いばい菌が入っちゃうから」
にこっと笑う様子に三ツ谷はフッと口の端が上がってしまった
「そんなにヒデー怪我じゃねーからすぐに治るよ」
言いながら少し大きめの絆創膏を貼ると「はい、終わり」と頭をポンと叩かれた
突然 当たり前のように頭を撫でられてはむず痒い感情が駆け巡った
こんな事 以前の生でもしてもらった事がなかったからどんな表情をしていいのか分からなかった
「あっ、頭触るの嫌だったか?」
の何とも言えない表情に気付いた三ツ谷がそう言うと慌てるようには首を振った
「いえいえっ!全然っ!大丈夫です!!」
「それなら良かった そうだ、良かったらプリン食っていかね?丁度おやつの時間だからさ」
「きゃあ!マナ おにいちゃんの作るプリン好き〜!」
「ルナもルナも〜」
嬉しそうにはしゃぐ2人を横目には慌てて首を振った
「いえいえっ!手当までして貰ってそんなものまで頂いていくなんてっ」
「ははっ!何ガキが遠慮なんかしてんだよ…って俺もガキかっ」
ははっと軽く笑うとゆっくりと立ち上がり「プリンは嫌い?」などと聞いてくるので「…好きです」と遠慮がちに呟くと三ツ谷はもう1度軽く笑うと「ちょっと待っててな」と言うとキッチンへと消えていった
「ちゃん ちゃん!あのねっお兄ちゃんの作るプリンは美味しいんだよっっ」
嬉しそうにはしゃぐマナはピョンピョンと飛び跳ねてて可愛らしい
「こらマーナっ、ちゃんと机の上を綺麗にしないとオヤツはねーぞ ほら、ルナはちゃんと片付けてるぞ」
プリンと飲み物をトレイに乗せてやって来た三ツ谷は はしゃぐマナに注意をしながら空いた机のスペースにトレイを置く
「あっ!私も手伝います!」
手持ちぶたさだったは一生懸命テーブルの上を片付けているルナと一緒に片付け始めた