第9章 私はモブになりたい
「はい、どうぞ」
ガチャリと開いたドアを開けながら入れと促す三ツ谷に「…おじゃまします…」と言いながらはおそるおそる足を進めた
結局、あの後は三ツ谷の後ろをチョコチョコと付いていった
「お帰りなさい おにいちゃん」
「今日のオヤツ何〜?マナお腹空いた」
言いながらパタパタと走って玄関口へと走ってきた可愛らしい女の子達はの姿を見てピタリと動きを止めた
「お…おにいちゃんが女の子を連れてきた!」
「大変!マナ!お母さんに言わなきゃ!」
きゃっきゃっと騒ぎ出す女の子には慌てた
「えっ…?!あの…「違うっての 怪我をしたから手当てをしに寄って貰ったんだよ」
後から呆れた声でそう言うと「なんだぁ」と2人は口々に呟いた
「ルナ マナ 中に案内してやってくれ 俺は救急箱取ってくる」
「わかったぁ、お姉ちゃん こちらへどうぞ」
にこにこと人懐こい笑みを浮かべながら手を取って案内しようとする2人に連れられる様に室内へと足を踏み入れた
「ハイ お座布団どうぞ」
「あ…ありがとう」
促されるままに座布団を用意されてストンと座るとその両隣に2人が座った
「ねぇねぇ、私 ルナっていうの お姉ちゃんは?」
「私?えと、って言うの」
「じゃあちゃんだね!私はね マナって言うの」
「そっかぁ、よろしくね」
にこっと笑ったら嬉しそうに2人同時に腕に抱きついてきた
か…可愛い
「こぉら、そんなに引っ付いたら身動き取れないだろ?ごめんな?」
言いながら奥から救急箱を手にとって現れた三ツ谷はテーブルに救急箱を静かに置くとの目の前に座って手を差し出した
「ん?」
「ん?じゃなくて、怪我した方の手を見せろよ手当てするから」
「え?いやいや 救急箱貸して頂いたら自分でするからお構いなく!」
三ツ谷の申し出をブンブンと頭を振りながら拒否する姿に三ツ谷の眉がピクっと動いた
「何遠慮してんだよ いいから ほら」
そう言ってグイッと手を取られては大人しく従った