第2章 居場所=三ツ谷隆
「姉ちゃん!次に会ったら一緒にお絵描きしてくれるって言った!」
「マナ達ずっと待ってたんだよ?」
服の裾を引っ張りながら口々に言う二人にそんな約束もしたなと思い出す
「…じゃあちょっとだけ…」
こんな小さな子達の約束を破るなんて流石に出来なくてチラッと三ツ谷の方を見ると苦笑いされた
「悪いな、こいつら1度言ったら聞かねーんだ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「わぁ姉ちゃん、可愛い猫さん」
「あっ、それ熊なの」
「ルナにはキツネさんだ〜」
「そっちは犬なの」
結局、また三ツ谷家にお邪魔したは二人の用意したお絵かき帳に絵を描いていくがことごとく自分が描いた動物とは違う動物を言われる
そんなにわからないか?と思いながらじーっと描いた動物の絵を見つめていると「ぶふっ」と頭の上から吹き出す声がした
「やっぱ そんなに変…かな?」
「いや、独創的で…ぶふ…いいと思うぞ」
そう言いながらそれぞれにオレンジジュースを出す三ツ谷は明らかに笑いを堪えている
「…そんなに笑うなら三ツ谷くんが描いてみてよ」
そう言って少し頬を膨らませながらお絵描き帳を差し出すに三ツ谷はまた笑った
「う…上手い…」
プルプルと三ツ谷が描いたお絵描き帳に描かれた動物には悔しそうな顔をした
「お兄ちゃんはね〜上手だよっ」
「あのねあのねっ!マナ達のお洋服も作ってくれるんだよ!」
交互にそう口にする言葉に感嘆の声を上げた
「凄いっ!三ツ谷くん器用なんだね」
目を輝かせて言うに三ツ谷は照れた様に笑った
「ただ好きなだけだよ」
そう言うと三ツ谷はチラリと壁に掛かっている時計を見ると少し慌てだした
「やべっ!つい話が楽しくてこんな時間だ」
「あっ、なにか用事があったりとか?」
「あぁ、いや、いつもの事なんだ」
言いながらポケットから出した携帯で誰かに電話をしだした