第9章 私はモブになりたい
「…うわぁ、本当にあった…」
の目の前にあったのは神社の鳥居
ここにはきっと彼らが集まるのだろう
はただ見てみたいという好奇心だけだった
近くの茂みにコッソリと身を隠して待った
少し出遅れたのか、広場にはあの特攻服を着た姿はなく上の境内で集会が行われているようだ
いつの間にかの目の前にはバッチリと着飾った高校生くらいの女の子達がキャッキャッ言いながら見学していた
にとってはいい目隠しだ
今も昔も憧れの相手を見に行くという行為は人をキラキラとさせる
「あ〜今日もマイキーくん格好良かった!」
「それを言うなら三ツ谷くんも最高だった」
「あ〜年下でもあんな彼氏がいたら自慢するのに」
などと小鳥のさえずりのようにピーチクと話していた
やはり憧れの人物の話をすると女の子はイキイキとする それは世界共通のようだ
「でもさ〜みんな見た目と違って結構お固いんだよね」
「そうそう、私達が声をかけることはあるけど向こうからはないし お持ち帰りされたこともないよね〜」
…それは彼等がまだ中学生だからではないかと思うのだがこの世界の設定では通用しないのだろうかとが頭を捻っていると女の子達の中で1番派手っぽいであろう女の子が自信満々に言った
「みんな馬鹿ね、ああいう男の子達は意外に積極的にいったほうが落ちるのよ あれくらいの年齢ならちょっと誘ったらオッケーよ!」
いやいや!オッケーじゃないから!犯罪ですからっ!
「あ…あのっ!」
思わず茂みから飛び出してしまったは自分の行動を後悔した
「え?何?誰かの妹?」
不審な目で注目を浴びたは飛び出した自分を責めたかった
こんな時間にこんな場所から出てくるなんて明らかに不審な子供だ
だったら不審な子供らしく振る舞おうと思った
「お…オネーさん達って悪い人?」