第9章 私はモブになりたい
出掛けにいつも用意してくれている晩ごはんは丁寧にラップに包まれてテーブルの上に置かれている
今日の夕食はハンバーグみたいだ 良く見るとソースでハートマークを描いていてご丁寧に添物のミニトマトも綺麗にハートマークの形に切ってある
『私』の今の母親は『私』をとてもとても愛情深く育てているのだとヒシヒシと伝わる
過去の自分を思い出している私にとってこの愛情表現はむず痒くて仕方が無い
いそいそと椅子を引き、座ると置かれているハンバーグを再度マジマジと見つめると用意されていたフォークで一口サイズに切ると そのまま口へと運んだ
まだほのかに温かいハンバーグと優しい味にの心はじんわりとした
食事を終えたはお皿を洗って片付けると小さな肩掛けカバンにアレコレと詰め込んである場所へと向かった
には確かめたい事がひとつあった
もしも私が生まれ変わった世界があの夢中になっていたアニメのような世界だったら
リアルに彼らをコッソリ覗く事が出来るのではないかと胸踊らせた