第9章 私はモブになりたい
頭がズキリと痛み出した瞬間に何かがの頭の中を駆け巡った
これは…何かの記憶…?
「おっ…おい!大丈夫かよ?」
急に隣で唸り出したに驚いたように駆け寄ってきた
「お前にぶつかった時に何かしたんじゃねーの?」
「ばっか!何もしてねーって!」
口々に言いながら心配そうにワラワラ寄ってくる男達に「大丈夫です」と言うが痛みは一向に収まらない
「おい 何してんの?」
何故だか聞き覚えのある声に顔を上げようとしたが先に取り囲んでいた男達が一斉に頭を下げた
「お…お疲れ様です!総長!」
何だろう?この光景…どこかで見たような…
は痛みのある頭を触りながら近寄ってきた人物を見ようと顔をあげた瞬間 バチリと目が合った
その瞬間にの頭の中をまるで電気が走ったような衝撃が走った
ボトッ
思わず手に握っていたアイスの袋を落としてしまった
「おい、落としたけど…大丈夫か?」
しゃがんでが落としたアイスの袋を拾い上げてに差し出すが落としたは目の前にいる人物から目を離せないでいた
「おい、聞いて…「う…うきゃぁぁぁぁ!」
そうはいきなり叫び出すと そのまま一目散に走り出してしまった
その行動に1番驚いたのはアイスを拾って渡そうとした人物で、の走り去った後をポカーンとした顔で見送った
「…アイス…」
「もう聞こえねーってマイキー」
そう一緒に来ていた背の高い男がマイキーと呼んだ男にそう言うとマイキーと呼ばれた男は溶けかけたアイスを掲げると「もったいね」と呟いた