第9章 私はモブになりたい
そんな事を考えて歩いてたからなのだろうか
外で立ち話をしていた集団にぶつかった
「ぶふっ…!」
「いてっ…!」
ぶつかった相手を鼻を擦りながら見上げると ぶつかったであろう人物は腰を擦りながら 少しだけ痛そうに顔を顰めながらを見下ろしていた
「あっ…あの、ごめんなさい」
「おらガキ、ちゃんと前見とけよ」
すかさずは謝ると ぶつかった学生服を着た男の人は 手でシッシッとするような仕草をしながらそう告げると何事もなかったように再度話し出した
その様子には慌てて立ち去ろうと横を通り過ぎようとしたがある言葉で何故だか足が止まった
「それでこの間 東卍での集会でよ」
何だろう、何だか聞き馴染みのある名前だな…がふとその『東卍』の名前を頭で反芻すると急に頭がズキリと痛みだした
「イ…イタっ!」