第2章 居場所=三ツ谷隆
の家は所謂再婚同士だ
の母は2年前に病気で亡くなり、今の母親の旦那さんは事故で亡くなったと聞いた
今どき再婚同士で連れ子がお互いにいるなんて事は珍しくもない
新しい母も自分の子供同様とても優しい だけど仕事が忙しくて出張が多いので中々会うことがない
一方の父親も私達子供を平等に接してくれるが帰りが常に遅くなるほどの仕事人間だ
の母親とはたまたま接待で訪れたクラブにいたホステスさんだった
父は漫画のように一目惚れして結婚
2年前まで3人でこの家に住んでいた
だけど母が病気を患って亡くなったとき父は亡き母の分まで頑張ってくれた それから1年の月日が経った頃に再婚の話が転がりこんできた
やって来たのはとても明るい人だった
は特に反対もする事なく受け入れた
寧ろ父が幸せになるのであれば喜ばしいことだった
「ちゃん、私の子供たちとも仲良くしてやってね」
そう言って紹介されたのは同い年だけど向こうが誕生日が早かったから「姉」となった香織 そして高校生の修哉だった
「わぁ、可愛い妹が出来るなんて嬉しい」
などと最初は香織は優しかったのだが日を重ねるごとにその態度は一変した
「ちょっと、何ぼーっとしてるのよ早くご飯作って」
ソファにふんぞり返って携帯を弄りだす香織は全く手伝おうという意志がなかった
「あの…何を作れば」
「はぁ?それくらい自分で考えなさいよ!」
「まぁまぁ、は自分で考えられないくらい気がきかないんだからさ」
言いながら同じ様に座っているのは修哉だ
毎週日曜は父が家事は大変だからと言ってハウスキーパーさんを頼んでくれたのだが日曜日はお休みを取っているらしくが必然的に食事を作る
「あの…出来ました」
そう言ってテーブルに出来たてのオムライスをそれぞれ置く
「私、他人に見られながら食べるの嫌いなの」
そう言って手で追い払うような仕草をするとは何も言わずにダイニングから出て行った