第8章 どんな君も=佐野万次郎
「なぁ、マイキー たかが飯食いに何でこんなに遠いんだよ いつもの所でいーだろーが」
「いーだろ、今日はこっちの気分なんだよ」
そう言いながらテクテク1人先に歩くマイキーの後ろ姿を見ながら一緒に付いてきたドラケンと三ツ谷は顔を見合わせた
マイキーは何も言わずに置き去りにされた後、ショックで暫く頭が回らなかった
まずこんな扱いを受けた覚えもなかったし まさかのから受けた事に理解が追いつかなかった
でも一瞬だけ見せたの表情 あれは悲しみの表情だった 何故があんな顔をしたのか全く分からない たけどこのままその理由を知らないでいたら駄目な気がする
だけど理由が全くと言っていい程分からなかった
「っていうかよ、急にメシ食いに行こうなんて連絡してきて同じファミレスならわざわざ別の店じゃなくていつもの場所で良くね?」
「だからたまにはいーだろ」
「いーだろってお前な…」
そうドラケンは言いかけてあるモノに気が付いた
「おい、マイキーあれ、さん…じゃね?」
「えっ!??」
ドラケンの言葉に素早く反応したマイキーはドラケンが指差した先をキョロキョロと見た
そこには先程まで一緒にいたと華蓮がマイキーの目に留まった
「…マイキーもしかしてさんがいること分かってウチらを引き連れてきたんじゃないでしょーね」
じとーっと疑いの目で見ながら一緒に着いて来たエマがマイキーを見つめるとマイキーはその視線から逃れるようにあからさまに視線を外した
「はぁ?そんな訳ねーだろ」
明らかに動揺を隠せないマイキーに周りのメンバーはそれぞれ深いため息をついた
「お前…それってストーカー…「ばっ…場地さんっ!マイキーくんはさんの事心配なんっすよね!!」
場地が呟こうとした言葉を隠すように千冬が慌ててフォローした
そう、千冬が言うように心配だったから あの後、フラフラと自宅に帰り、なんにもやる気が出なくボーっとベッドに仰向けになりながら天井を見つめていたマイキーのポケットから携帯のバイブ音が鳴った