第8章 どんな君も=佐野万次郎
それもそのはず いつもより大人しく収まっているは無言で俯いていて顔の表情さえ見えなかった
「…華蓮ちゃん」
ようやく呟いた言葉と共にはスルリとマイキーの腕からすり抜けた
「…ボクでいいなら付き合うよ」
「「えっっ!?」」
思わず同時に声が出てしまった
まさか同意の返事が返ってくるとは思わなかった華蓮はの言葉に焦ってしまった
「えっ!?ちょっと待っていいの?」
「?誘ってきたのは華蓮ちゃんでしょう?」
「いやっ、そうなんだけど でもっ…」
チラリとマイキーに目を向ける華蓮の手を取っては「ほら、早く」と言いながらズルズルと引きずっていった
残されたマイキーはこの予想外の出来事に頭が真っ白になっていた
(は?どういう事だ?頭が追いつかねーんだけど あのが先に約束していた俺を放っておいて飲み会を優先した)
普段絶対にそんな事はしないのに何だか変だと思った
それにはとても律儀だから予定を変えるときも必ず断りの伺いをたててくる
だけど今回に限って断りも入れずに一方的に別の予定へと向かってしまった
何より彼女は一度もマイキーの事を見ずに行ってしまった
その事が何よりもマイキーに重く伸し掛かった
「俺…何かした?」