第2章 居場所=三ツ谷隆
「お邪魔しました、ご飯、すごく美味しかったです」
玄関で靴を履いたは三ツ谷に向かってペコリと頭を下げた
「本当に送って行かなくていいのか?」
「うん、大丈夫です そんなに暗くなってないので」
そう笑って言うに三ツ谷は心配そうな顔を向ける
家まで送っていくと言ったのに「大丈夫だ」の一点張りでとうとう三ツ谷が折れた
「姉ちゃん、また来てね」
「今度はマナとお絵描きしようね」
口々に言う二人には小さく手を振る
「うん、今度ね?」
と返すと嬉しそうに二人はキャーとはしゃぎながら奥へと走っていった
「また良かったら飯食いに来いよ」
「はい、機会があったら」
そう言って三ツ谷の家を出たはゆっくりと帰路に着く
「機会だって…そんな機会あるわけないのにね」
小さく呟くと足取り重く歩き出した
1度振り向いて三ツ谷の家を見ると「温かい家族」とポツリ呟いた言葉は空気と共に消えていった