第8章 どんな君も=佐野万次郎
それからずっと2人は行動を共にしていた
は少しでも男の人に似せるために自分の一人称を『私』から『ボク』に変え付かず離れず側にいた お陰でがいる場では華蓮も緊張せずに男の人と会話が出来るようになった
華蓮は華蓮でに日本での生活に役立つ事を色々と教えた
時には驚き笑い、喜ぶの姿を見るのは楽しかった
ただこのままずっと華蓮はに頼り切りになるのはいけないと思った
そうでないと彼女は私にかまけてばかりで『恋』というものが出来ないと思った
華蓮はに幸せな恋をしてほしかった
ずっと一緒にいたらにその機会を奪ってしまうんじゃないかと思っていた
そんな矢先に現れたのは自分たちより年下の男の子
初めはただの興味本位でに付き纏っているのかと思った
そんな子にを近づけさせないと思い安い挑発の様にベッタリと張り付いた
だけどそんなのお構いなしにぐいぐいと食いついてくる姿に考えが変わった
何より日に日にの表情が女の子っぽくなっていった
これはずっと側にいるから分かった事できっと周りは気が付いていないだろう
だから彼女を変えてくれた男の子と話がしてみたかった ただそれだけ
きっと彼女の事をちゃんと見ていてくれる子と共感を分かち合いたかっただけ
それを何とも言えない表情で見つめていたがいたことも知らずに