第8章 どんな君も=佐野万次郎
の心配そうな言葉に華蓮は困ったような顔をして笑った
「う〜ん…正直すっごく不安だけどこのままずっと苦手意識もってるのも駄目だと思うから」
華蓮の言葉に今度はが今度は考え込んでしまった
どうにかして少しでも彼女の負担を減らせるのか
知り合って間もないのに真剣に考えるのはの長所であり、悪い癖である
「そうだ!暫く私と一緒に行動するのはどうかな?」
「…え?」
の提案に華蓮はぽかんと口を開けた
「ほら、実際は女だけど外見は男の人っぽいから少しでも男の人に慣れるんじゃないかなぁと」
「あの、でもそんなに迷惑は…」
助けてくれただけならまだしも知り合って間もないのにそんな事を言ってくれるに戸惑いを隠せなかった
そもそも分かりきっていたこと ずっと女の子しかいない空間に身を置いていたのだから
慣れない男の人が近くにいることで萎縮してしまうということ まさか具合が悪くなるとは思いもしなかったけど…
「迷惑だなんて思ってないから寧ろ友達になって欲しいのが本音」
「…友達に?」
「そう、実はこっちに友人がいなくて…日本に来たばかりだからそんなに詳しくなくて…」
「え?え?外国の人?だからそんなに綺麗な青い目をしているの?」
「ううん、父が外国で母が日本人 確かハーフ?だったかな?母が育った国に興味があって」
一通りの日本の文化は覚えたが実際に体験してみないと分からない事も多くてと付け加える彼女はにこっと笑った
「ほら、私は男の人に慣れるまで側にいる 華蓮ちゃんは私に日本の事を教えてくれる win winでしょう?」
そう言うに華蓮は嬉しそうに笑った