第8章 どんな君も=佐野万次郎
「ホントにそれでいいの?」
「何言ってんだよ どら焼きは最強だろ」
近くのコンビニから再び大学へと戻るとマイキーは構内に設置されているベンチにドカっと座ってどら焼きの袋を開けた
あの後、を待つ間 一緒にお茶をしないかと連れてこられたコンビニで好きな物を選んでいいと言われたのでマイキーは遠慮なくどら焼きを選択した
どら焼きの袋を開けてパクつく姿に目を細めて微笑むと華蓮は間を空けてマイキーと同じベンチに腰を下ろした
「そんで?俺に何か言いたい事があんだろ?」
口をモグモグとさせながら聞いてくるマイキーに軽く苦笑いを溢した
「あれ?気が付いてた?」
「気が付かない訳ねーだろ 何?の事?もしかして近付くなとでも言いてーの?」
2個目のどら焼きを開けながら言うマイキーに華蓮はブンブンと首を振った
「まさか!寧ろどんどん近付いて欲しいし!」
「は?」
まさかの予想外の言葉にマイキーの手がピタリと止まった
「あの子さ、君と過ごすようになってから段々と女の子らしくなってきて嬉しいの」
「…アンタ 王子様っぽいが好きなんじゃねーの?」
「あ…それは話せば長くなるんだけど…」
言い淀む彼女の様子に「どら焼きくれたし 待ってる間なら聞く」とマイキーが小さく呟くと華蓮はポツリポツリと話し出した